ドイツの見本市最新動向② 出展企業の国際性

ドイツの見本市最新動向について。今回は出展企業について見ていきたいと思います。
 
ドイツ見本市協会の公開データによると、2018年にドイツで開催された見本市での出展企業のうちドイツ国内企業は4割未満。
国外企業が約6割(60.7%)で過半数を占めています。
の中で「ドイツ国内企業」とされている中には、外国企業でもドイツに現地法人がありその現地法人から出展する場合も含まれますので、実際には純粋なドイツ企業以外の割合は6割超よりさらに高いと考えられます。
 
また、見本市の種類・趣旨により出展企業の国内外比率は様々です。
例えば二年に一度ケルンで開催される食品見本市アヌーガ の昨年の出展企業のうち国内企業は1割弱、9割以上が国外からの出展者ですし、毎年11月にデュッセルドルフで開催される医療機器見本市メディカもドイツ国内からの出展は2割弱と大変国際性が高いです。
フランクフルトで開催される世界最大の消費財見本市アンビエンテも、国外企業の出展が85%以上を占めています。
一方で、同じように注目度の高い国際見本市でも、例えばベルリンで開催されるエコをテーマにした食品・園芸関連の見本市「国際緑の週間 」、ニュルンベルグで開催されるオートメーションの見本市SPS ともに国外からの出展企業は3割台です。
上記の統計グラフの中には、このような見本市よりも国外での知名度が低い見本市も含んだデータですので、中には国外からの出展社は数社、というデータも含まれた上での、国外からの出展企業の割合の高さになります。
 
開催地はドイツですが、ドイツ国内のみでビジネスが完結されることは少なく、ドイツ国外でのビジネスチャンス獲得の場ともなっていることがわかります。
 
次に、国外からの出展企業数を過去5年間で見てみます。
ドイツの大型見本市の中には隔年開催や4年に一度開催される場合もあり、そうした大型見本市の開催が重なる年は出展企業総数が大きくなります。
そのため、上記のグラフも毎年毎年プラスという形になっていませんが、過去5年間通しでみてプラスになっています。
それぞれの見本市の動向を見てみても、国外企業の出展が少なかった見本市でもどんどん国外企業の出展が目立つようになってきており、ドイツ見本市での国外企業の比率は今後もより高まると見られています。
 
国外からの出展企業を地域別にみると、国外企業の約5割、出展企業全体の3割超がEU加盟国です。
EU非加盟国を含めるとドイツ国内からの出展企業数に匹敵する勢いになります。
全出展企業の約4割がドイツ企業なので、それを合わせると、ドイツの見本市出展企業全体の約4分の3が欧州企業となります。
最近はアジア諸国からの出展企業数が大きく伸びを見せていますが、それでも現時点では大多数がイタリア、フランス、オランダを筆頭に欧州諸国からの来場者となっています。
 
ドイツ見本市の出展社の現状が少し明らかになってきたと思います。
 
・現在、ドイツの見本市出展企業の半数以上はドイツ国外からの出展となっている。
・国外からの出展企業は年々増加傾向にある。
・国外企業で最も多いのはイタリア、フランス、オランダ等欧州企業である。
 
という点が見えてきました。
 
では、来場者は現在、どのような状況でしょうか。
次の機会には来場者について見てみたいと思います。