欧州のデジタルマーケティングがわかる3大トレンド


2020年欧州デジタルマーケティング トレンド

 

欧州市場で今、そして今後につながるトレンドとして注目度の高い3つのポイントについて紹介します。

 

毎年、新しい年を迎える前後には、各業界のこれからのトレンドについての話題が溢れるのは欧州のデジタルマーケティング業界でも同じです。業界団体やエキスパート、関連企業などが発表した2020年欧州デジタルマーケティングのトレンドについての記事を数十件目を通した中で、共通して挙げられているのは、次の3つです。

 

1.ソーシャル・コマース(ソーシャルメディア経由の販売)

2.パーソナライズ(個々人に合わせた情報提供)

3.コンテンツマーケティング(メッセージの質の見直し)

 

これら3大トレンドは現在、欧州市場だけに特有のものではないと思います。

が、欧州には欧州ならではの背景事情がありますので、そうした事に一緒に触れながら紹介したいと思いますので、世界の他の地域と欧州との違いのニュアンスもご理解いただけるのではないかと思います。

 


1.ソーシャル・コマース(ソーシャルメディア経由での販売)

 

ソーシャルメディアとEコマースを組み合わせたソーシャル・コマースの人気が、欧州でも高まってきています。

 

外出中に見ていたインスタグラム等で見つけた商品を、そのまま数回クリックすることで購入できるのは、消費者にとって便利であるのと同時に、販売社も、消費者が商品を見つけてから購入するまでのステップを簡略化、加速化できるので、今後ソーシャル・コマースを採用する販売者は増加傾向にあります。

 

背景には、スマートフォンユーザーの増加。

例えばドイツの場合、インターネットユーザーのうち、PCの所有率は6割台に留まっている一方、スマートフォン所有率は8割を超えるようになりました。

残業は極力せず、休暇はしっかり消化する、と公私の切り替えをしっかりするのがドイツ人。プライベートでの「買い物」を想定する場合、ビジネスでの使用が主となるPCよりも、仕事を終えてリラックスしてスマートフォンを眺めている時が、購買決定の可能性が一番高くなるので、今後もこの流れは強まると考えられます。

 

また、今話題となっている「買い物ができる投稿=ショッパブルポスト」についても、歓迎する空気が強いです。

クリスマスプレゼントを準備する際、購入する人が相手のことを考えて、「これなら喜ばれるかな」と推測して買うよりも、相手に欲しいものをズバリ言ってもらう方を好む感覚から見ても、自分の好みにカスタマイズされて出てくる「ここで買えますよ」という広告は、欧州の消費者にとって大いに納得がいくことだと思います。 

 

*ドイツで人気のドラッグストア、dm(ディーエム)のインスタグラムでのショッパブルポスト(買い物ができる投稿)。インスタグラム投稿(左)の画面にタッチすると商品名と価格が表示される(中)。商品名・価格表示部分に触れるとオンラインショップサイトへ導入(右)。

 

2. パーソナライズ(個々人に合わせた情報提供)

ソーシャルメディアに出てくるショッパブルポスト(買い物ができる投稿)が歓迎されるポイントとなるのは、そのポストが自分の好みにあっている=パーソナライズされている、という点です。

 

パーソナライズするには、そのユーザーの年齢や性別、興味、嗜好といった情報が必要になります。

 

EU全体の流れとしては、個人情報収集を防ぐ方向に厳しめに動いていますが、その状況下であっても、パーソナライズされた情報はデジタルマーケティングでの重要度がどんどん高まっています。

このパーソナライズの流れは、現時点でのデジタルマーケティングの主要ツールのひとつであるメールマガジンにも求められてきています。

これまでは、購読者全員に一斉に同じ情報を送ることである程度の効果が得られていたメールマガジンでのマーケティングですが、今後は、講読者一人一人の購買履歴や嗜好傾向等の情報に合わせたパーソナライズされたメールマガジンが主流となり、効果を上げ続けることができると考えられます。 

 


3.コンテンツマーケティング(メッセージの質の見直し)

 

デジタルマーケティングにおいて「メッセージ=コンテンツ」が一番大切、という事は、もう何年も前からずっと言われていて、特に新しいトレンドではないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

 

ただ、コンテンツ、と一言で言っても、デジタルマーケティングを取り巻く環境の変化により、コンテンツも変わっていくことが必要なのです。

 

例えば、これまでのコンテンツマーケティングといえば、自社が売り込みたい商品やサービスを紹介するシンプルなブログやメールマガジンを月に1、2回出すので十分、というのがドイツでの標準的なイメージでした。

でも、もう、これだけではターゲットの心には響きません。

ターゲットとする顧客が求めていることをしっかり理解したうえで、顧客が求めているものをコンテンツとして発信していく事が、これからのマーケティングでは最も重要になってきます。

 

同時に、発信するプラットフォームも何でも良いわけではなく、ターゲットとする顧客にフィットしたメディアを選ぶことが重要です。

ここにも、「パーソナライズ」が求められてきていますね。

 

個々の顧客に合わせた、パーソナライズしたメッセージを海外でもきちんと発信していく事が、これからの欧州マーケティングでは欠かせないことになります。

欧州でのメッセージの発信なら、私達の得意とするところですので、ぜひお力になりたいと思います。

お必要に応じて柔軟に対応することができ、現在のところ、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語での メッセージ発信でご好評をいただいておりますので、貴社のお役にもきっと立たせていただけると思っています。

まずは、こちらよりお気軽にお問合せください。

 

以上、デジタルマーケティングの3大トレンドについてご紹介しました。

これまで以上に、顧客の目線で考えることが求められてきていますね。