青山 香織
アンサンブラウ イベント+マーケティング
イーロン・マスク氏が日本の人口減少について言及した事が話題になっていますが、人口減少は日本だけでなく多くの経済先進国が迫りくる課題として直面しています。
ドイツも、統計上の総人口では微増となっていますが、少し詳しくデータを見ると、日本と同じく、人口減が現実的となっているのです。
今日は、ドイツの人口についてのデータを少し紹介しますね。
ドイツの人口は、2021年9月末時点で83,222,442人、約8,320万人です。
男女比はほぼ半々、若干女性が多く51%が女性、男性は49%。
もう少し詳しいデータで見ると、高齢世代では女性の割合が高く、一方で、10代未満では男子の方が僅かながら多い傾向にあります。
この傾向は日本を含む先進国ではほぼ同じです。
年齢別の人口分布をグラフにすると、鼻の高い人の横顔のようです。
その鼻の一番高い部分、最も人口が多いのは2021年時点で57歳の人で、男女合わせて約140万人となります。
55歳から64歳の”アラ還”世代の人口は約1,300万人で、全人口の15~16%です。
一方で、70歳以下で人口が最も少ないのは、横顔のようなグラフの喉の部分にあたる10歳で、男女合わせて約72万人。
最も多い57歳の約半分になります。
5歳から14歳までの人口は760万人、全人口の9%。
ドイツも、高齢化社会の真っ只中です。
次に、過去10年間の人口推移を見ていきたいと思います。
2011年から2020年の間に、ドイツの人口は8,033万人から8,316万人へと、多くはありませんが、10年間でプラス3.5%増加しています。
この人口の中には、ドイツ国籍を保有する人と、そうではない、ドイツ以外の国籍を持つ人の両方が含まれています。
ドイツ国籍保有者と、外国籍保有者の内訳を見ると、次のように。
2020年時点で、ドイツの人口に占めるドイツ国籍保有者の割合は87%、外国籍保有者は13%です。
ドイツ国籍保有者の割合が高いとはいえ、10年前と比較すると大きな違いが見えます。
10年前、2011年のドイツ人口に占める外国籍保有者は8%でしたが、10年後の2020年には5ポイント増の13%、1,000万人を超えています。
ドイツに住む外国籍保有者の人口推移について見てみます。
ドイツに住む外国籍保有者は、2011人には634万人でしたが、10年後の2020年には1,059万人に。
この10年間にプラス67%と大きく増加を示しています。
背景にはシリアからの難民受け入れとブレキジットによる英国からの移住者が大きいところではありますが、EU圏内の他の国からの移住者、またアジアからの富裕層移住も少しではありますが増えてきています。
この劇的な外国籍保有者の増加が、ドイツ国籍保有者の割合を下げている大きな要因ではあります。
が、現在、ドイツ国籍保有者の人口自体が、増加ではなく減少に転じているのです。
ドイツ国籍保有者の人口推移について詳しく見てみましょう。
2011年時点、ドイツに住むドイツ国籍保有者は7,399万人でしたが、10年後の2020年には7,257万人に。
この10年間で、マイナス2%減少しています。
ドイツ人口がかろうじて増加傾向を維持しているのは、ドイツ国籍者の人口減を補う外国籍の人口流入があるためということがわかってきます。
ドイツに住む人の構成が、少しずつ変わってきているのに気付かされますが、これはドイツに限らず、現在、ほとんどの国で同じような傾向が多かれ少なかれ見られると思います。
人口の多様性は、今後もどんどん進む方向にあると考えられます。
ドイツ市場での販売を考える場合、ターゲットについてイメージする時に、こうした多様性についても考慮に入れていくことが、とても大切になるのではないでしょうか。
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