メッセのプロ
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こんにちは、「メッセのプロ」チームです。
8月22日から26日まで、フランクフルトで世界最大のエンジニアリング分野見本市アヘマ(ACHEMA)が開催されました。
今日は、ACHEMA関連分野のエキスパート(有識者)メンバーのGさんからの見本市レポートを、日本語にしてお届けします。
*会場での写真撮影ができなかったため、主催者が提供してくれた写真を掲載しています。
フランクフルトで開催されたACHEMAは、2022年のプロセス産業における主要な国際見本市としての評価を再び印象的に示したと言えます。世界50カ国以上から2,200社を超える出展者が、装置工学、プロセス工学、バイオテクノロジー業界の最新動向とその方向性を紹介しました。
パンデミックの影響で4年前より出展者、来場者とも減少したものの、4年ぶりの交流ということで、化学、医薬、食品業界からの参加者の関心は高く、出展者のブースの活況ぶりや、多くのディスカッションが印象的でした。パンデミックによる中断を経て再び対面で意見交換ができることに安堵している様子がうかがえました。
今回のACHEMA Kongress(期間中に色々なテ-マで開かれる講演会)の来場者数は前回2018年のそれを上回りました。また外国人シェアで見ると来場者では約50%、出展者では50%以上とACHEMAの変わらぬ高い国際性が今年も認識されたと言えるでしょう。
従来通り出展者の分野としては熱・機械プロセス工学、包装技術、プロセス制御技術などが目立ちました。生産のネットワーク化とモジュール化(キーワード「Industry 4.0」- 2011年ハノーバー・メッセにてドイツ政府と民間企業が組んだプロジェクトから提唱された概念で第四次産業革命を意味)の進展により、デジタル化は装置工学の伝統的分野においてもますます重要な役割を果たすようになっています。サイバーセキュリティをテーマとする出展者が多かったことから見て、デジタル化が効率化だけでなく、セキュリティやレジリエンス(耐障害性)について果たす役割が重要視されているようです。デジタル化の開発者とユーザーの交流の場として中心的な役割を果たしたのは、展示者グループとして新たに加わった「デジタルハブ」で、今後のACHEMAで重要性を増すことは間違いないでしょう。
また印象的だったのは大学発のスタートアップ企業で、人工知能(AI)を活用し既存の計測データから個々の機器やプラント全体の状態に関する貴重な情報を取得、予知保全を通じてダウンタイムを最小化することが紹介されていました。
最後に「水素経済」、「脱化石生産」をテーマとしたブースや講演も特筆すべきものでした。現状エネルギーや原材料の調達が困難となっており、今後数年から数十年の間にこれらのテーマが業界を決定的に左右することになると見られます。ACHEMA 2022に参加して、化学産業がプロセス技術や装置技術の面で、来るべき課題に対して十分な備えをしているという印象を持ちました。
次回のACHEMAは2024年6月に開催される予定です。
以上、化学業界エキスパートGさんからのレポートでした。
Gさんはドイツを代表する化学メーカーにエンジニアとして長年の勤務経験があり、ACHEMAに関わる化学系分野にも精通しています。
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