2.ドイツ見本市への出展目標(後編)

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来場者がドイツ見本市に足を運ぶ理由(目標)は?


前編では、ドイツ見本市への出展企業が掲げる出展の目標を見てきました。

この後編では、来場者がドイツ見本市に足を運ぶ理由について考えてみましょう。

ドイツ見本市連盟が実施したアンケート調査では、来場者の最も重要な来場目標が「新商品・トレンド情報」の収集であることが示されました。つまり、来場者は今までにない新しい商品やサービスに期待しています。ドイツ見本市での出展で、新しいということが伝わる商品やサービスが、来場者を引き付ける重要なポイントであることがわかります。

 

これに加えて、来場目標の上位には、全般的な情報収集、経験・情報交換、スキルアップのための研修や訓練への参加と、情報のインプットを目指す目標が並びます。一方で、見本市期間中の発注を目指す来場者は全体の4分の1で、目標の選択肢の一番最後に位置しています。見本市会場で直接買い付けを完了させたいと考える来場者は限られていることがわかります。

 

現代はデジタルの発達により、見本市終了後もやりとりが可能です。多くのバイヤーは、見本市の会場では五感を頼りに生きた情報を吸収し、その情報を元に商品を比較検討してからオーダーに進む傾向にあるといえます。

 

このことから、現代のドイツ見本市で次のことが重要だとわかります。

1.顧客候補に合わせた具体的で新しい情報の提供

展示会ブースでのプレゼンテーションやスタッフとの会話を通じて、来場者それぞれの要望に合わせたパーソナルな情報提供が必要です。

 

2.見本市後のフォローアップ体制の整備

見本市後に注文を受けられる体制や、顧客候補への定期的な働きかけが成約の大きな決め手となります。見本市を中心とした循環型営業を確立することが、現代の見本市出展で成果を獲得するための重要な戦略です。

 


来場理由の変化がドイツ見本市の変化を示している?


上で紹介した来場者のドイツ見本市への来場目標についてのデータですが、調査を実施したのは2014年。約10年前の調査結果と少し古いので、現時点での状況は異なるかもしれません。来場者についての調査は10年前後のペースで実施されていますので、最新の調査結果が出ましたら、またお知らせしたいと思います。

 

現時点の状況を予想する参考として、ここで、2014年より以前のデータと2014年データを比較することで、変化をみていきたいと思います。

ドイツ見本市産業連盟が、2014年より前の2002年に実施した調査結果があります。

質問方法や設問内容が2014年と全く同じではないのですが、2つのデータを比較すると、来場者が見本市に求めるものが変わってきている事に気づきます。

2002年、2014年のどちらも、一番の来場目的は新製品やトレンド情報の収集で、これは時代の波の影響を受ける事のない来場者の不変の関心といえます。

 

注目したいのは、情報収集と見本市期間中に発注するという目標の優先順位の変化です。

情報収集は、2002年には最後から2番目でしたが、2014年には上から2番目、しかも1番目の目標と僅差で、優先順位がぐんとあがっています。

一方で見本市期間中の発注は2002年には上位のグループに入っていましたが、2014年は最下位となりました。ただ、期間中の発注は大きく後退したものの、見本市後の発注準備については、順位が上がっています。

2014年のデータ自体、今となっては少し古いですが、もしこの傾向がそのまま続いているなら、現在はもっと情報収集に重点を置くようになっているかもしれません。

 

これらの変化は、そのままドイツ見本市での成約までのプロセスの変化を表しています。

2000年代前半は、来場者は見本市開催中の会場で取引先を見つけ、その場で見積や提案をもらい、可能であれば注文を全て完了させるのが主流でした。

それが、2010年台半ばには、見本市の会場では、インターネット上では公開されていない企業や新製品情報を収集し、実際に自分の目で見て、手で触れ、試してみて、比較検討をしてから正式発注をするようになってきている事が表れています。

 

見本市の変化に合わせて、出展ブースでの商品の見せ方、接客時の会話の進め方、フォローアップにつながる会話の結び方、適切なタイミングでのフォローアップなど出展計画を見直すことで、見本市出展の効果をもっと拡大させましょう!

 

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