春節に見える海外マーケティング現地化の重要性

 

熱帯特派員(東南アジア市場担当)

アンサンブラウ イベント+マーケティング

 


こんにちは、アンサンブラウ熱帯特派員です。

シンガポールは先週、旧正月で賑わいました。

 

旧正月は、ヨーロッパのクリスマスと同じ、またはそれ以上に商品が売れる大チャンスの時期です。

こちらの中華系の方には、お正月にお金を散財する位使うと、その年はそれ以上の収入が期待できるという考え方が根底にあって、お買い物のペースが倍速になります。

 最近は電子マネーが主流になったので以前ほどではないですが、それでも、旧正月前のATMにはお金をおろす人が行列を作っていたり、人気の小売店にも長い列が。

美容院やネイルサロンは一番高価なサービスの予約でいっぱい(おめでたいとされている赤色に髪を染める人も多く、この時期美容院では赤色の染料をいつも以上に用意しておくそうです!)、まさにかき入れ時なのです。

今年は、中国からの観光客の方は少なめですが、シンガポール人だけでも、ものすごい買い物熱で熱くなっていました。

 

お店の方もこの旧正月は稼ぎ時、ウィンドウディスプレイも旧正月バージョンにガラッと変わります。

 

 

こちらは、ド~ルチェア~ンドガッバ~ナ~♪(古い?)のディスプレイ。

真っ赤なヒョウ、いえ、トラ柄です。

ケモノ系がピッタリくるブランドイメージ、しっかりきまってます。

(逆に、ネズミ年は大丈夫かな、などとちょっと心配になってきます)

 

もう少しシックな、例えばグッチもこんな風に旧正月に寄せてきています。

(ガラスに向かいのシャネルが映り込んでいますが、こちらは写真忘れました)

 

ドイツ発のヒューゴ・ボス、普段はクールなイメージですが、ガラッと変わって

 

ドーンと真っ赤っ赤!トラ尽くし!

 

ドレスの柄までトラ尽くしです。

いったい誰がこんな服を着るの?と思われるかもしれません。

 

・・・が、こちらでは着ている方も多いのです!

 

特に赤色の服は、全国民が一着は持っているのではないかと思えるほど、お正月と建国記念日には、道行く人のほとんどが真っ赤な服を着ているのです。

もう国じゅうがカズレーザー。

そうなると、地味めな服を着ているとなんだかソワソワしてきてしまったりで・・・

 

同じブランドでも、時と場所が変わればイメージが変わるのを実感しました。

自社ブランドの良さを残しながら、現地のニーズに合わせていく、海外マーケティングの「現地化」がしっかりできているブランドは、やはり世界中で成功していくのだと思います。

 

オンラインショップの旧正月商戦も熱い!です。

シンガポールでも人気のヨガウェアブランドで世界的なアスレジャーブームの牽引者でもあるルルレモンのウェブサイトを例に見てみましょう。

今週、2022年2月第一週のトップページです。

 

 

こちらは本社のある米国向け。  

 "Connected in movement"がキーワード。

日本語にすると「体を動かすことでつながる」という意味で、バレンタインデーに「つながる」ためのギフトとしての導入となっています。

 

一方、シンガポールのトップページはこちら。香港なども同じです。

 

 

中国語で新年の挨拶。クリックすると、

 

新年スペシャル版として、真っ赤なウェアが並んでいます!

 

今シンガポールではジョギングやウォーキングに加えて自転車がブームになっているのですが、旧正月の早朝は、真っ赤なウェアに身を包んだ人が多数、ジョギング、自転車に乗って走っていました。

お正月に欠かせない赤色衣装です。

 

同じ時期の日本でのルルレモンウェブサイトのトップページはこちら。

 

 

こちらはドイツ等ヨーロッパ向け。

 

日本向けとヨーロッパ向けでは、二人の距離感が違いますね・笑

 

日本向けは、日本語と英語の併記になっていて、英語の表現は本社米国向けとは異なります。

米国版が象徴的な表現を使っているのに対し、日本向けはわかりやすい英語の言葉を使っているように感じます。

 

着実に海外進出をすすめるルルレモンも、対象となる国ごとに売り方の切り口を変えたり、商品構成自体を調整したり、現地化にかけるエネルギーの大きさを感じます。

 

例えば見本市に出展する場合でも、対象とする国で受け入れられる商品を中心におくかどうかで、来場者の反応が大きく違ってきた例もあります。

 

海外での販売を考えられたら、まず大切なのは現地化。

商品を実際に購入して利用する人がどのような事を考え、どのように暮らしているのかを事前に把握することで、海外ビジネス、海外マーケティングがスムーズに進むようになります。

●現地化を可能にするユーザーインタビュー

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