4.ドイツ見本市出展計画②:ブースの種類とブース内の構成

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出展申込み前に決める、ブースの種類について紹介します。

ブースの種類と配置


 

ドイツ見本市では通常(日本とほぼ同じだと思います)、隣接するブースとの間隔や通路の開き具合によって、異なる料金体系のブースが用意されています。

大きく分けると、上の図にあるシングルブース、コーナーブース、ペニンシュラブース、ブロック(アイランド)ブースの4種類が挙げられます。

 

一般的に、1平方メートルあたりの価格で示されるブースの単価は、来場者が通る通路に面している部分等によって異なります。来場者との接点がより多くなる可能性の高い、四方が通路に面しているアイランド型ブースが最も単価が高く、ブースの一面だけが通路に面しているシングルブースが最も安価となる場合が多いです。

 

シングルブース

標準のシングルブースは、ブースの一面のみが通路に面しており、多くの場合、他の出展社のブースに隣接しています。通路に面するのは一面のみですが、ブースのレイアウトやデザインで工夫することで印象的なブースの演出が可能です。コスト面を抑えられる点から、多くの出展企業がシングルブースを選んでいます。

 

コーナーブース

複数の出展ブースが並ぶ角にあるコーナーブースは、2つの面が通路に面しています。来場者の注目をより集めることが期待できるため、コーナーブースのレンタル料金は標準ブースよりも高くなる場合が多いです。

 

ペニンシュラブース

ペニンシュラ(半島)タイプのブースは、コーナーブースと同じく、展示ブースが並ぶ列の先端に位置します。コーナーブースよりも幅を大きくとってあり、三つの面が通路に面しています。開放的で、スタンダードやコーナータイプよりも多くの来場者とのコンタクト機会が期待できます。

 

ブロックスタンド

ブロック(またはアイランド)タイプのブースは、全方向が通路に面しており、最も高い注目度と認知度を集めることができます。そのため、最も高価なブース形態となる場合が多いです。

 

屋外スタンド

システム全体を展示する場合や、非常に大きく重い製品(建設機械など)を展示する場合に見本市ホールとは別に、屋外ブースを設置することがあります。かつてのフランクフルトモーターショーでは、ドイツを代表する自動車メーカーが、出展ホールとは別に自社のみでの数階建ての屋外展示用建物を設置したり隣接するコンサートホールを貸切ったりして、注目の的となっていました。

 

展示ブースの配置について

見本市会場全体の配置は、主催者が技術的なインフラ、予想される来場者数、来場者の動線等を考慮して設計しています。出展ブースの位置については、主催者側で決定されることが多いですが、場合によっては事前に、位置や隣接する競合他社について確認できることもあります。

継続して出展する企業は、前回コンタクトのあった来場者にわかりやすいよう、毎回同じ場所に出展する場合が多いです。そのため、新規での出展の場合は、既存の出展企業のいない位置での出展となる可能性が高いです。もちろん商品の分野について考慮してくれていると思いますが、主催者から提示された出展ブースの位置について、しっかり確認することが重要です。

 

現時点での出展位置を変更したい場合は、主催者に相談しオプションを提示してもらい、別の場所に移れる可能性もあります。ただし、あまり頻繁に位置を変えるよりも、同じ位置に継続して出展する方が良いと考える出展者が大半です。上述の通り、来場者の多くが企業名よりもブースの位置で企業を覚えていることが多いためです。毎回同じ場所に出展することで、認知度と信頼度が上がる可能性が高くなると考えられています。

 

 

ドイツ見本市ブースに欠かせない3つのエリア(機能)


出展ブースには次の三つの機能のためのスペースが必要です。

 

① プレゼンテーションエリア

展示商品や模型、情報パネル、音声や映像デモ等に必要なスペースです。できる限りたくさん、商品の魅力を伝えるものを並べたいところですが、少し余白スペースをおく方が、来場者が抵抗なくブースに近づいてくれる場合が多いです。

また、来場者の動線を考慮した配置も重要です。展示ホールの入り口から、どのようなルートで来場者が自社ブースに向かってくるかをシュミレーションしてみましょう。

 

② ミーティングエリア

商談のためのスペースです。目標に応じて、オープンタイプの座席、個室タイプ、またはカウンターを挟んでの相談コーナー等のどれが最適かを検討しましょう。

プレゼン機器等商談用設備に加えて、商談の時にすぐ提示できる商品や企業情報のディスプレイ、飲食提供の準備ができるスペースもあると良いでしょう。スペースの都合上、ハイテーブルでの立ち話を想定した商談スペースしか取れない場合もあるかもしれません。盛況の見本市では、会場内で座れる休憩スペースが限られているため、座って話ができる方が好まれる場合が多いです。ハイテーブルの場合も、バースツールのようなハイテーブルに合わせた椅子を用意する方が良いでしょう。

 

一方、初めて見る商品や出展ブースでは、まずは軽く立ち話程度で話を聞きたいと思う来場者もいます。スペースとの兼ね合いもあるため、どのような商談スタイルが今回の出展目標に最適かを検討して選択しましょう。ブース訪問者の予測数や一度の商談の所要時間から、必要な商談スペースの規模を決める事ができます。

 

③ ユーティリティ(控室)エリア

作業スペース、スタッフミーティング、荷物保管、休憩スペース、電気系統の管理など、出展関係者のみがアクセスできるスペースです。見本市会場は盗難被害が大変多いです。、鍵をかけられる個室やロッカーを設けることをおすすめします(鍵がある場合も、一日の見本市終了後は貴重品をブース内に残さず持ち帰る方が安心です)。

スペースに限りがあり、控室を設置できない場合もあると思います。その場合もできる限り、外から見えにくい位置でスペースの活用を検討してください。

 

見本市会場では、来場者が多く来ているブースに注目が集まる一方で、来客がない時に見えやすい場所で真剣にPCに向かってデスクワークをしているブースや、商談スペースで社内ミーティングのようになってしまっているブースが目につくものです。このようなブースは、来場者が近づきにくくなり、また、やる気がないように見られ、せっかく準備を重ねてきた出展で、企業・ブランドのイメージを損なってしまいます。様々な状況があり、やむを得ない場合もあると思いますが、見本市開催中は来場者や他の出展企業との出会いに集中されるのが一番だと思います。来客が途切れている時は、交代で他の出展ブースの視察に行かれたり、ワークショップやネットワーキングイベントに参加される事で、また新しい機会に恵まれることもありますので、ぜひお試しになってみてください。

 

弊社では、見本市の随行通訳もお手伝いさせていただいています。

見本市会場でのより効果的で効率的なご視察のため、ぜひご活用いただけると嬉しいです。

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